至らない債務整理 借金返済|これらの認定事実を前提として,メルクが本件特許の優先日である平成14年11月1日の際,発明の実施である事業の準備をしている

借金返済の発明を債務整理であると解すべきである。


密度は重要な指標ではないと主張するので,この点 について,以下検討する。
証拠(甲44)によれば,メルク,二村化学及び群栄化学らの共同出 願した特許(メルクら特許)の明細書には以下の記載があることが認め られる。
a 【特許請求の範囲】
【請求項1】
球状フェノール樹脂を炭化,賦活することにより得られた活性炭で あって,比表面積800〜2000?/g,細孔容積0.2〜1.0 mL/g,充填密度0.5〜0.75g/mL,平均細孔直径1.7 〜2.0nm,細孔直径1.0nm以下の細孔の総細孔容積が全細孔 容積の55%以上,細孔直径20〜1000nmの細孔の総細孔容積 が0.04mL/g以下,最大粒子径が425μm以下,平均粒子径 が350μm以下である球状の活性炭からなることを特徴とする医薬 用吸着剤。
b 【0032】
次に,本発明の実施例1〜9の活性炭及び比較例1〜6の活性炭を 用意し,比表面積(?/g),細孔容積(mL/g),平均細孔直径 (nm),細孔直径1nm以下の容積(%),充填密度(g/mL), 平均粒子径(μm),表面酸化物量(meq/g),粉化量(%)を 測定した。
(中略)
・充填密度(g/mL):JIS K 1474に記載の方法により求 めた。
(以下略)
c 【0040】
(実施例1)
球状フェノール樹脂(群栄化学工業(株)製「マリリンHF―MD C」)800gを金属製レトルト容器(内容量1.5L)に収容し, 静置式電気炉を用いて,窒素雰囲気中において600℃の温度で4時 間加熱することによって炭化した。
前記炭化した球状フェノール樹脂 炭化物を,ロータリー式外熱炉を用いて,水蒸気中において950℃ で1.5時間加熱することによって賦活した後,0.1%塩酸水溶液 で洗浄した。
洗浄後の活性炭について,pHをJIS K 1474に 記載の方法で測定した際,活性炭のpHは5〜7となるように水で濯 いだ。
そして,水洗後の活性炭をロータリー式外熱炉により,酸素濃 度を3vol%に調整した酸素―窒素混合気体中において600℃の 温度で3時間加熱処理した。
そして,これを目開き119−200m esh(75〜125μm)のJIS Z 8801に記載の篩を用い て篩別し,実施例1の活性炭を得た。
d 【0041】
(実施例2)
実施例1における水蒸気賦活の時間を2時間とした以外は,実施例 1と同様の処理を行い実施例2の活性炭を得た。
e 【0042】
(実施例3)
実施例1における水蒸気賦活の時間を3時間とした以外は,実施例 1と同様の処理を行い実施例3の活性炭を得た。
f 【0043】
(比較例1)
また,比較例1として,実施例1における水蒸気賦活を行わなかっ たこと以外は,実施例1と同様の処理を行い比較例1の活性炭を得た。
g 【0044】
(比較例2)
実施例1における水蒸気賦活の時間を5時間とした以外は,実施例 1と同様の処理を行い比較例2の活性炭を得た。
h 【0045】
実施例1〜3及び比較例1,2の活性炭について,前述の測定方法 により,比表面積(/g)等の物理化学的性質と,アルギニン,プトレシン,プルラン及びトリプシンに対する吸着性能とを調べた。

債権額

大蔵省は、同年4月1日、A銀行において、同行の作成した平成9年度決算関係資料の説明を受け、その後、同月7日から27日まで、A銀行において、B銀行との特定合併にかかる預金保険機構の資産買取りの際の参考資料とするため、また、銀行が適切な財務諸表を作成することに資することも念頭に置き、同行の資産内容の実態について検査を行った。
検査において、同省の検査官は、A銀行から、参考とするために同行の自己査定のワークシートを添付したラインシートを提出させ、担当支店長及び融資担当者と面談をして貸出先の概要を聞き出した上、それぞれの貸出先について、ラインシートの内容が適切か否かを、資産算定通達に基づき、直接査定した。
(甲40〔2ないし6、42〕、乙8〔3〕、弁論の全趣旨)。
その際、同省の検査官は、A銀行のいわゆる流動化スキームを用いた貸出先に対しては主として債務者の返済能力や債権額を賃料によって満足させ得る賃貸物件の存在、賃料収入が継続的に得られるか否かについて疑問があることから、このような疑問をA銀行の担当者に対して指摘し、資料を提出させ、かつ、賃料の上昇率や経費率等の数値について不動産鑑定士や監査法人の意見を求めさせて検討ないし協議をした。
その結果、A銀行の自己査定において正常先(I 分類)ないし要注意先(II 分類)とされていたこれらの債権について、建物の耐用年数等を考慮して30年以内に債
権を回収できるか否かという基準を設定し、30年以内に返済が完了する貸出先については要注意先・II 分類とし、そうでない場合は破綻懸念先として、不動産担保相当額をII 分類、それを超える分をIII 分類として査定した。
また、A銀行の関連ノンバンク及び関連不動産会社に対する自己査定についても、その査定が甘いとの認識の下に、債権分類が変更された(甲40〔8ないし19、78、79、99、100〕)。
もっとも、具体的な償却又は引当の額については、全く検査をせず、何らの指摘もしなかった(甲40〔24、25〕、41の2〔35〕)。
上記の検査の間、大蔵省の検査官は、検査に基づき、自己査定における上記問題点等はA銀行の担当者等に対して随時伝えていたが、最終的に同年5月1日に検査結果を通知し、これをもとにしてA銀行は自己査定結果と大蔵省検査結果との差異の最終結果を表形式でまとめた(甲40〔130、131〕、46〔19、20〕、乙7、8、弁論の全趣旨)


これらの結果は以下の表1及び表2のとおりである。
i 【0046】
【表1】
上記bのとおり,充填密度とは,JIS K 1474に記載の方法に より求められる指標であり,弁論の全趣旨からすれば,容積1ml当た りに充填される試料の質量であることが認められるところ,上記メルク ら特許の明細書に記載されている実施例及び比較例の結果によれば,球 状フェノール樹脂を炭化した後に賦活した活性炭につき,その賦活時間 を0時間(比較例1),1.5時間(実施例1),2時間(実施例2), 3時間(実施例3),5時間(比較例2)と長くしていくと,充填密度 は,0.80g/ml(比較例1),0.61g/ml(実施例1),0. 59g/ml(実施例2),0.54g/ml(実施例3),0.42 g/ml(比較例2)と減少し,比表面積は,反対に610?/g(比 較例1),1380?/g(実施例1),1470?/g(実施例2), 1630?/g(実施例3),2190?/g(比較例2)と増加して いることが認められ,また,賦活により細孔構造が発達(すなわち比表 面積が増加)すれば,炭の質量は減少するため充填密度は減少するもの であると考えられるのであって,賦活時間と,充填密度及び比表面積と は相関関係にあることが認められる。
前記のとおり,比表面積は吸着性 能に影響を及ぼす重要な指標であるから,これと相関関係にある充填密 度もまた,吸着性能に影響を及ぼす重要な指標であるというべきである。
(ウ) 被告らは,平均細孔径こそが最も重要な指標であると主張する。
確かに,細孔の直径の平均値である平均細孔径は,どの分子量の物質 をよく吸着するか,すなわち選択的吸着性能にとっては重要な指標であ るが,吸着性能の高さには直接関係するものではない。
比表面積が吸着 性能の高さに関わる重要な指標であることには違いはないのであり,比 表面積の違いが活性炭の同一性を左右することは前記のとおりである。
(エ) 被告らは,KK−2及びKK−3について,プルラン及びアルギニ ンの吸着率は目標値に達しており,KK−1との実質的同一性が認めら れると主張する。
しかしながら,証拠(乙229)によれば,プルランは,少なくとも 7種類(分子量が5800,12200,23700,48000,1 00000,186000及び853000のもの)のものがあること が認められ,いかなる分子量のプルランを採用して吸着率を測定したの かについて明らかでないことに加え,プルラン及びアルギニンがそれぞ れ代表的な体内の有益成分及び毒性物質であるとの証拠はなく,また, メルクが実施した物理的性質及び吸着特性の比較試験(乙31,106) においてもプルラン及びアルギニンを対象とした吸着試験を行っていな いことを考慮すると,これらの物質の吸着率がメルクの設定した値を達 成していたことをもって,KK−1と実質的に同一であったと認めるこ とはできない。
(オ) 被告らは,クレアチニン及びトリプシンの吸着においてKK−1と KK−2及びKK−3との間に有意な差は認められないから,これらが 実質的に同一であると主張する。
しかしながら,被告らがその主張の根拠として挙げる実験には次の問 題点があるといわざるを得ない。
証拠(乙29,104)によれば,被告らが実施したクレアチニンの 吸着力試験(規格及び試験方法に関する試験(乙29,104)の一つ) は,●(省略)●に,試料(KK−1,KK−2及びKK−3)を2. 5g添加して,吸着率を計測するというものである。
そして,このよう に添加する試料量を2.5gとすることに決定したのは,試料添加量を 2.0g,2.5g,3.0gに設定し,吸着率を求めたところ,下記 の結果となり,有意差を認めなかったからとされている。
●(省略)●
しかしながら,上記の結果を見ると,試料の添加量を2.0gと減ら しても,3.0gと増加させても,吸着率に有意な変動は認められない。
活性炭は,その表面の細孔構造に目標物質を吸着させるものであるから, 一定量の物質に対する吸着率は,活性炭の添加量に依存する関係にある と考えられるのであり,試料の添加量を2.5gから増減させても,一 定量のクレアチニンの吸着率が変動しないということは,添加量が過剰 であるためである可能性が高いと考えられ,このような試験方法では吸 着力の正確な測定はできないものといわざるを得ない。
このような試験方法を用いてクレアチニンの吸着率を測定したとこ ろ,●(省略)●という結果が出てはいるものの(乙29の表47,乙 104の表46),上記のとおり,試料の添加量が過剰であった可能性 が高いことからすれば,この測定結果をもって,KK−1,KK−2及 びKK−3のクレアチニンに対する吸着力が同一であったということは できない。


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被告
充填
密度

特許発明
活性炭の吸着能力の優劣は,吸着しようとする分子に 合致する径を有する細孔の存在量に関係するものであるから,細孔の存 在量と密接に関連する比表面積が活性炭の吸着能力に影響を与えること は明らかである。
KK−2は,KK−1に比べて比表面積は11%程度 も小さく,この違いが無視できる程度の違いであると認めることはでき ない。確かに,本件特許発明においては,比表面積が1000?/g以 上であることが規定されており(構成要件C),また,本件特許の優先 日前の公知文献において比表面積について500/g から2000/g の範囲が示されている(乙214〜221)ことが認められるものの, これらは特許発明の技術的範囲を画する指標等であり,この範囲内にあ るものを同一のものと評価できるものとするものではない。